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難病

シャルコー・マリー・トゥース病の初期症状!その後の経緯と治療法のポイントは?

2017/11/14

 

シャルコー・マリー・トゥース病
(Charcot-Marie-Tooth disease、以下CMTと略します)は、

1886年にCharcot,Marie、Toothの3人によって報告された

最も頻度の高い主に遺伝子異常による末梢神経疾患の総称です。

この記事では、難病情報センターの
「シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)解説」」
一般の利用さん向けにわかりやすくお伝えします。

シャルコー・マリー・トゥース病(指定難病10)

 

 

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この病気の症状とは

CMTの中核症状

CMTの中核症状は、
末梢神経障害による四肢遠位部優位の筋力低下や感覚低下などです。

遺伝子異常の種類にもよりますが、
基本的に男女差はありません。

CMTは、
一般的には0歳~20歳頃までに発症しますが、
60才以降に発症される方もおられます。

CMTの診断は、
問診、神経学的診察、電気生理学的検査、遺伝子検査で行われます。

問診と神経学的診察でCMTが疑われた場合には、
末梢神経の働きを調べる神経伝導検査を行います。

必要に応じて、

針筋電図検査、
神経超音波検査、
神経生検(足のくるぶしのところにある腓腹神経の生検です)なども行います。

神経超音波検査は痛くありませんが、
神経伝導検査、針筋電図検査、神経生検は痛みを伴います。

これらの検査で異常が見られた場合には、
遺伝子検査にて確定診断となります。

遺伝子検査と言っても患者さんの負担としては採血だけです。

PMP22遺伝子のFISH法という検査は
健康保険が適用されますが、

他の遺伝子検査は大学の研究室での解析になります。

 

 

CMTの重症例

重症例では、
脳神経障害による嚥下障害、
声帯麻痺(せいたいまひ)、
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)(首にある筋肉のひとつ)の筋力低下、

自律神経障害による不整脈・低血圧、側弯症(そくわんしょう)による
呼吸障害(拘束性(こうそくせい)換気障害)を合併することもあります。

 

 

この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

一般的に、まれな病気と言われていますが、

欧米の疫学調査では1人/人口2500人、

わが国でも1人/人口1万人との報告があります。

 

 

 

この病気はどのような人に多いのですか

CMTになりやすい体質というようなものはありません。

 

 

この病気の原因はわかっているのですか

60種類上のCMT原因遺伝子が明らかになっています。

しかし、原因遺伝子異常とCMT発症メカニズムの詳細はまだ不明です。

 

 

 

この病気は遺伝するのですか

CMTの遺伝様式には、

①常染色体優性遺伝

(両親のどちらかに症状があってだいたい50%の確率で子供に遺伝するもの)、

②常染色体劣性遺伝

(両親には症状がなくても子供に発症することがあるもの)、

③X染色体劣性遺伝

(X染色体上の遺伝子の異常で、男のみに発症するもの)などがあり、

遺伝子が関係していても、

親から子供に必ず遺伝するわけではないことに注意する必要があります。

 

CMTの特徴は、「遺伝的多様性」と言われています。

「遺伝的多様性」とは、
異なる遺伝子の異常によって、同じ症状が出現するということです。

つまり、

遺伝子Aの異常でも、
遺伝子Bの異常でも、

区別がつきにくい同じような手足の筋力低下という

CMTに共通した症状が出現するということです。

逆に、同じ遺伝子の異常でも異なる臨床症状を示す場合もあります。

もっとも多いのがPMP22という
タンパク質をコードしている遺伝子の異常です。

CMTの40%の患者さんは、
この遺伝子の異常であることが知られています(CMT1A型と言います)。

 


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どのような症状がおきますか

足や下腿・手・前腕などの
四肢遠位部の筋肉が緩徐進行性に萎縮し、

同部位の感覚が少し鈍くなることがあげられます。

患者さんの多くは、
足・足趾の変形(凹足)や
足の筋力低下(スリッパが脱げやすい、段差につまずくなど)、

特徴的な歩き方

(鶏のように、両大腿をやや大げさに挙上し両趾先を垂れて歩くので、
「鶏歩」と言います)で気づかれます。

中には下肢の筋力低下や変形のために、

足首の捻挫や骨折をされることもあります。

話をよくうかがうと

「子供の頃からかけっこで遅い方だった」
「子供のころから足が小さかった」など、

軽い症状は子供の頃から出現している方が多いようです。

また、症状の強い患者さんもおられ、
幼少期、場合によっては生まれたときに
すでに症状が出ている場合もあります。

時には、
目が見えにくい、
音が聞こえにくいなどの症状(網膜や聴神経の障害)が合併したり、

病気の進行とともに
脊柱の変形を生じたりするなど多彩な症状を呈する患者さんもおられます。

 

 

 

どのような治療法がありますか

現時点ではCMTに特異的に効果があると科学的に証明された治療はありません。

CMTのモデル動物では、
オナプリストンという抗ホルモン剤や、
ビタミンB12、クルクミンなどの治療効果が報告されていますが、

現時点ではこれらの薬剤のヒトでの安全性や
臨床効果については十分検討されていません。

最近、
CMT1Aに対するアスコルビン酸投与試験が
わが国と欧米で行われました。

CMT1Aのモデル動物では
有効性が見られたので期待されましたが、

いずれの試験でも
CMT1Aに対するアスコルビン酸の有効性は証明されませんでした。

わが国のアスコルビン酸投与試験では
握力の若干の改善がみられましたが、

主要評価項目では投与群と非投与群で有意差がありませんでした。

しかし、現在、新しい治療法の研究が進められています。

 

 

どういう経過をたどるのですか

CMTの経過については、
原因となっている遺伝子異常によって異なりますが、

一般的には筋力低下、感覚障害が緩徐に進行していきます。

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業CMT研究班(CMT研究班)の調査では、

多くの方は自力歩行または杖歩行が可能ですが、

車椅子を使用される方は約20%、
寝たきりになる方は1%とされています。

 

 

日常生活でどのような注意が必要ですか

患者さんに合った靴や下肢装具など
適切なフットケアを行うことで、

機能的な改善が期待できます。

また理学療法や適度の運動は、
筋力と筋の耐性を維持する上で推奨されます。

手術療法が機能改善や機能維持に役立つ場合もあります。

一般的にCMTは致死的な疾患ではありませんし、
また寿命に大きな影響を与える疾患でもありません。

CMTの患者さんの多くは
仕事を続けることは可能であり、

杖が必要になることは多いですが、
車椅子のみの生活になることはまれです。

日常生活では太りすぎには注意してください。

CMTについて正しく理解して頂き、
今後の研究成果を期待しながら、

現在のADLを少しでも維持され、
希望のある毎日を送っていただければと考えています。

 


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最後に

CMTは遺伝性の末梢神経の病気です。

難病ですが、
初期の頃の症状があまり劇的でないため、

本人も周りの人も気づないまま、
病気が進行してしまう可能性があります。

日本での有病率は欧米の1/4ですが、

自分が病気だということを知らずに
一生を終えている方も多いのかもしれません。

ご自身や周りの方に
CMTの疑いがある場合は、

ためらわずに医療機関を受診し、
ご相談なさることをお勧めします。


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