病院で、時々
「隣の○○さんは、病院で花粉症が一発で治るっていう注射を打ってもらったんだって」
という話を効きます。
確かにインターネットなどでも、
「一発で花粉症を治す」という文句を目にすることがあります。
これは、
ステロイドの筋肉注射のことなのですが、
注意も必要なのですね。
ステロイドは使い方が大事なのです!
この治療は、デポ型といって、
体の中に長くとどまるような形にした
ステロイド(副腎皮質ホルモン)を筋肉注射するものなのですが、
何回もこの注射を受けると、
注射したところの筋肉が硬くなったり、
萎縮してしまったりします。
また全身にステロイドが作用して、
月経不順などの副作用が出てしまいます。
耳鼻咽頭科の専門医は、
そのような治療はまずやらないということを知っておいてください。
でも、
ステロイドは絶対に使ってはいけないのか、
というとそうではありません。
使い方が大事なのです。
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体の外側から直接鼻に効く薬です!
ステロイドを使う場合、
まずは点鼻薬を使いましょう。
点鼻薬は使い方を間違えなければ、
とても安全な薬です。
鼻の中の炎症が強くて、
鼻の粘膜がむくんでいたり、
腫れていたりするときには、
点鼻薬を使うと効果的に治ってきます。
それでも症状がコントロールできないときには、
ステロイドの内服薬を使うこともあります。
点鼻ではなく内服することで、
強い炎症が抑えられて炎症が治ります。
しかし、ステロイドの内服は
飲む期間はできるだけ短くして、
二週間程度を目処に、
症状が治まったら別の薬に切り替えるべきです。
ステロイドの内服は、長く飲んでいると、
免疫力が抑えられてしまい、
細菌に感染しても打ち勝てなくなったり、
血糖値が上がったり、
顔が腫れてきたりと、
いろいろな副作用が出ています。
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最後に
どんなおいしい料理でも
塩をふりかけすぎると
まずくなって食べられませんが、
どんなに質素な料理でも
適度に塩を振ればおいしくいただけますよね。
確かに、ステロイドって聞くと、
なんだか強そうな呼び名で、
効果も強いが副作用の多そうな危険な薬だ、と
思われるかもしれませんね。
でも、
大事なのは、
ステロイドの使い方ですよね。
薬にしても
その ”さじかげん” が本当に重要なのですね!